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てことは…私の名前には興味があって、私の生活には興味がないってこと?
なんか、はっきりしないなぁ…
「ふーん…。」
なんとなく、はっきりしない先輩に悪態をついてしまった。
「あんたこそ、陸上に興味あったんだな。」
ドキッとした。
口が裂けても本当のことなんて言えない…。
「そ、そうですよ。わ、悪いですか!?てゆうか、私は"あんた"じゃなくて姫菜です!」
うぁぁ…めちゃくちゃどもっちゃったよ…
「あっそ。」
私のドキドキをよそに、陸人先輩はサラッと流してしまった。
…と思ったんだけど。
「あ。満月…」
「え??」
いきなり陸人先輩がそう言ったから、私は慌てて空を見上げた。
「本当だぁ…キレー…」
その綺麗さに思わずみとれた。
「私、月好きなんです。太陽みたいにギラギラしてなくて、地上を凄く優しく見守ってくれてるみたいで。」
「…。」
気付くと、陸人先輩は私をジッと見つめていた。
え…私なんか変なこと言った…!?
私はドキドキしながら、陸人先輩の言葉を待った。
「…あん…じゃなくて、姫菜見る目あるじゃん。」
「え…?」
この人、今私のこと"姫菜"って呼んでくれた?
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