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「明日の土曜日、運動公園に8:00に集合な。くれぐれも朝の8:00に来ないよーに。」
「あ、朝の8:00に来るわけないじゃないですか!」
この人、私をどんだけバカだと思ってんだ!
「お前、ホームに降って来たくらいだし、それくらいのドジするかもしんねーだろ。」
そんなこと言われたら、何も言い返せない!
私は過去の失態を恨んだ。
「ゔ…。…わかりました。明日よ・る・の!8:00に運動公園ですね。」
私は、ぶっきらぼうにそう吐き捨てた。
「そうそう。素直でよろしい。」
「うゎー!先輩ぶっちゃってムカつく!」
「先輩だから仕方ないだろ。今日はもう暗いから帰んぞ。危ねーから送ってく。」
「あ、そんな、良いですよ。」
いくら暗いからって、そんなに迷惑はかけられない。
「ダメ。一応、お前女だし。」
「一応って…」
「早くカバン取ってこい。」
「…はい。ありがとうございます。」
その日は先輩の好意に甘えて家まで送ってもらった。
私と陸人先輩を結びつけてくれた満月。
これからはもっと月が好きになりそうだ。
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