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「痛っ」
でも、私の落ちた場所はプラットホームのコンクリートの上ではなかった。
「痛てぇのはコッチだ。」
「…?」
「わかってねぇみたいだな」
その言葉でやっと私の思考回路はつながった。
私の落ちた場所…それは、男の子の上だったのだ!
「キャァ!?わっ!!ゴメンなさい!!」
恥ずかしくて泣きそうだった。
「勝手に人の上に落ちてくんな。マジ意味不明。」
その男の子は感情の読み取れない無表情で言った。
「本当にゴメンなさい…」
私はもぅ謝るしかなかった。
「もーいいわ。ウザい。邪魔。」
プチン。
「ウザい。邪魔。」という言葉に心の糸がおもいっきり切れた。
「ちょっと!!謝ってる人に対してその態度ってありえないでしょ!?そりゃ落ちて迷惑かけたけどウザいとか邪魔とかないでしょ!!」
私は、逆ギレとか周りの視線とかも気にせずキレた。
なのに…
「あっそ。」
言ったのはそれだけだった。
私は、その男の反応に唖然とした。
『間もなく〇〇線 花ノ宮学園行きが参ります』
アナウンスとともに、ホームに電車が来て、その男と私は人混みに埋もれ私はその男がどこにいるのか確認できなくなった。
あんな男…絶対に好かれてない!!
嫌われてるから卑屈で、しかも無愛想なんだ!!
高校生活1日目から本当に最悪だ!!
私は、自分が失態を犯したことも忘れて憤慨していた。
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