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「おい姫菜。スカートの裾汚れてんぞ?」
正輝に言われ、よくスカートを見てみると、確かに泥のようなものが付いていた。
「あ。本当だ。あーもぅ最悪だぁ。
実はね、家の近くの駅の階段で、焦りすぎてころんで落っこちちゃったの。…でねー……」
「どうしたの??」
倫子が不思議そうに私を見た。
「うん。あのね―――」
私は今日朝あったことを全部話した。
「えー!?本当に!?最低じゃん。ちゃんと謝ってんのにそんなこと行ってくるなんて。姫は全然悪くないよー!」
倫子は凄く優しい。どんなことでも私が悲しいときは一緒に悲しんでくれるし、怒ってるときは一緒に怒ってくれる。
「倫子の言う通りだょ。あんま気にすんな。」
そう言って正輝は頭をぐしゃぐしゃってした。
「もー、頭ぐしゃぐしゃになっちゃうじゃん(笑」
正輝は小さい頃から、頼りになるお兄ちゃんって感じだな。
ガラガラ…
扉が開いて担任の先生っぽい人が入って来た。
「みんな座れー」
体育会系のごっつい先生だ。
「じゃぁ、また後でね」
「うん♪」
「おぅ。」
私達はそれぞれ出席番号順に座った。
そして、私の隣にはおとなしそうな女の子が座っていた。
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