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「ほーなーつ。誰かいい人見つけたー?」
花梨がミルクティーを
飲みながら話す。
「いるわけないじゃん。いたら奇跡だって」
「まじかよ、あー。彼氏ほしいいいっ」
背伸びした花梨は
夕日に照らされて、
唇が妖美に光る。
魅力的な唇はいつみても
羨ましくてもったいない。
「花梨って本当に唇の形とかいいよねー」
「もとからっ」
「いやいや。自惚れすんなって」
「うふっ。穂夏好きよ」
「きも....」
二人で顔を見合わせて笑う。
「でも本当に穂夏に出会えてよかった」
「なんで?」
私は首を傾げる。
「だって凄い確率じゃない?私と穂夏が出会う確率」
「あぁ、言われて見れば」
「だから一生あいらぶゆーっ」
「だからじゃないー」
私が嫌そうな顔をする
「まぁまぁ」
二人の笑い声と共に
背中に長い影が
映し出される。
今日は夕日が綺麗な日だ。
早く家に帰ろう
ふとそう思った。
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