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「んじゃ今日はここを合わせようか」
部長の恭平先輩が
爽やかな笑顔で、
私たちに言ってきた。
「あ。わかりました」
いっせいに皆が楽器を
手に持つ。
「んじゃあ、1234...」
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「お疲れ様でした!!」
「...つかれたぁっ」
部活が終わり
近くのコンビニで
花梨はジュースを買ってきた。
「はいっ。穂夏の分」
と言って花梨はベンチに
腰かけた。
「ありがとっ」
私はジュースを受け取り
冷たい缶を開ける。
「うちやっぱこのミルクティー好きだわぁー」
花梨はしみじみ言った。
ミルクティーは
すぐに飲み干された。
「あーあ。無くなっちゃった。」
「本当だー。買えば?」
花梨が場が悪そうに、
「買えだとー?そんなお金ありませんっ。」
やれやれと花梨は、いいながら、
空き缶をコンビニのゴミ箱に
入れにいった。
空中に息を吐くと、
白い吐息が
空に浮かぶオリオン座に
吹きかかる。
今日は特に寒い日だ。
冷たい物を買って外で
飲んでいる私たちは
きっと可笑しいだろう。
そう思うと笑いがこぼれる
「なーに、にやけてんの?穂夏行くよっ」
コンビニから花梨が歩いてくる。
「にやけてないし。つかもうっ?」
「いや、にやけてた。うん、行こうぜー。」
「にやけてないし!。」
「とりあえず!寒いから早く帰るよ!」
花梨は鞄を持ち歩き出した。
私はまだ半分しか飲んでいない
リンゴジュースを
一気に飲み干し、
花梨の後を追った。
「穂夏ジュース飲むの遅すぎっ」
「花梨が飲むの早いんだよー」
そんなくだらない話をし
帰路に着く。
あたりはもう
すっかりと暗くなっていた。
「今日は半月だ.....」
何気なく月に手をかざして
歩いていった。
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