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枕営業=セックス
色恋=恋愛ゲーム
帰宅してから菊地が言った台詞を自分なりに翻訳する
「最低じゃん」
笑いが込み上げる
好きだとか落とすとか仁さんにとっては日常茶飯事
それを真に受けた俺が馬鹿なだけ
ズキスキと胸が痛い
「っふ…」
泣きたくないのに涙がじわりと浮かび鼻の奥がツーンとなる
泣いたら駄目だ
俺を抱き締めた腕で他の女を抱く
好きだと言った唇で他の女にキスをする
自分が惨めで悔しい
「嘘つき」
涙がひっきりなしに零れる
乱暴に拭い頭を抱える
だから1人が好きなんだ。傷付かなくていいし
自分らしくない
Prrr…Prrr…Prr…
携帯のサブディスプレイには今俺を悩ましている張本人
流石ホスト
アフターサービスもばっちりな事で
ついつい皮肉になってしまう
出ないのも可笑しいし意を決して通話ボタンを押した
大丈夫
明るく何も無かった様にすればいい
そうすれば日常に戻れるから
息を吸い言葉を紡ぐ
「もしもし?」
また1人になるだけだ
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