Prologue

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その石を持つ者に…    我の総てを授けよう。 その声を聞いた日、《それ》は、総てを奪った。燃え盛る地獄のような炎。 自分の姿ではない、何かの姿。 メラメラとモノを燃え尽くす音が、物凄く心地好く感じた。 バロールの力を受け継ぐ者よ…    今は休むがよい。      《目覚めの日》は近い。 自分の姿を確認すると、昂揚感から辺りに感情をぶつけた。その後悔感は、尾を引いた怒りの昂揚感は、次第に殻に閉じこもるようになった。 あの日から、俺は、この感情を隠す為に毎日を忙しく過ごした。 ただ、ヤミクモに。 ただ、人間らしく。 あの日までは。 俺の後ろには、世界がある。 その道には、沢山の人間が寝そべっていた。 震える大地の先に、俺は戦う決意をした。          
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