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「火事だぁぁあぁあああぁっ!!!!!」
はっ?!
突然すぎてわからなかった。
てか、授業内容についていけかったあたしが悪いのかもしれない。
穏やかに過ごしていた四月中旬。
善悪町に引っ越して来て間もなく、高校生として新しい環境で難しい勉強に躓き続ける毎日。
青春を夢見て、恋愛多々ある生活を望んでいたあたしの学校で、火事が起きたらしい。
「‥え?え??」
火事だと叫んでいた先生は、絶叫していた割に冷静に廊下を歩いているし、教室で小テストを受けていたクラスメートたちも無反応だ。
と思ったら
「センセー、火事ごときで騒がないでくださーい」
「テスト終わったー」
「じゃ、テスト終わった奴から体育館に避難しろよー」
担任の澤口先生も柔和な笑顔を浮かべて、プリントを回収する。
意味がわからない。
白鳥 瑩(しらとり ひかり)。
彼氏いない歴15年。
いや、16年になる夢見る女子高生。
今日、あたしは16歳になりました。
「白鳥ー、焼け死ぬ気かー?」
「今日誕生日なんだから死ねないっ!!てか、死‥っっ?!」
担任はあたしを見捨てて、体育館に行くという意味不明な学校に入学してしまったあたし。
最悪な誕生日になる予定です。
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