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「………総司」
「わかってます」
それを見ていた土方と沖田が止めるべく、野次馬を掻き分けながら男三人と甘味処の娘さんの元へと向かって歩き出したときだった。
路地裏から周りとは馴染むことのできない服を着た、少年にも見える少女が出てきた。
異質な少女は現状に気づいていないのか、男たちの前に立ちはだかると、
「…………通行の邪魔、退いて」
強気にも、無機質な声で男たちにそう言った。
「んだと……!?
てめぇが避けていけばいい話だろうが!!」
少女の言葉に、娘さんに突っかかっている男たちの内の一人がそう怒鳴った。
男の言っていることは尤もだ。
しかし、少女は男の言っていることなんて全く気にしておらず。
男たちは絶対に退かないと判断したのか。
一度小さく息を吐くと娘さんに絡んでいた、お茶をかけられた男の脇腹を蹴飛ばし。
男は軽く吹っ飛んだ。
「………貴方たちも退いて。
それとも、彼のように強制退場がいい?」
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