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少女は無機質な声で蹴飛ばされた男の後ろにいた二人にそう言い。
蹴飛ばすためにあげた足を降ろした。
だが、男たちどころか野次馬からも反応がなく、彼女の無機質ながらも透き通った声はよく聞こえた。
「総司、今の見れたか…?」
「一応…
でも、追うので精一杯です」
「……あいつ、何者だ…?」
先程の少女の声にようやく反応した二人の男は怒声をあげながら抜刀し、少女に斬りかかった。
娘さんは顔を青ざめさせながら少女に向かって叫ぶ。
「ッ!!」
沖田はそれを見た瞬間に少女のもとへ駆け出そうとした。
彼女はなにも武器を持っておらず丸腰だから。
しかし、それは土方によって止められた。
「総司待て!!
多分あいつなら大丈夫だ」
土方は沖田の肩を掴み動きを止めると、少女のことをじっと見つめた。
彼女は前から自分に向かってくる右側の男の手を左足で蹴って刀を遠くへ飛ばし。
遠心力を利用して軸足を右足から左足へと変えながら回ると、左側の男の腹を右足で蹴飛ばした。
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