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どんよりと鉛色の雲が一面に広がり、今にも雨が降りだしそうな空を。
一人の少女が日本刀を片手に見上げていた。
少女の周りには、彼女を中心に数えきれないほどの屍が転がっていて。
彼女の衣類や髪などにも、赤黒い血がこびりついていた。
しかし、少女はそれを気にする様子もなく、ただただ無表情で。
でも、どこか切なげな瞳で空を見ていた。
「………今日で、皆とお別れ…」
ポツリと呟いた少女は視線を空から戻すとポケットから布を取り出し、日本刀から血を拭い。
鞘に戻すとその場から颯爽と去っていった。
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