第一章:壬生浪士組   《入隊》

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「それでは、希道さんの紹介は夕餉の時にしましょうか」 「そうだな!!」 近藤と山南は"では"というと自室へ戻っていった。 すると、黙っていた土方が希道に問う。 「お前の目的はなんだ」 そう問いかける土方の目はとても鋭く、常人ならば震え上がってしまうほどのものであった。 そんな土方の目に怯むことなく、希道はポツリと呟くかのように言うと部屋から出ていった。 「…………関係性がない限り言うつもりはない。 信用に足る人物か、まだわからないから」 部屋から出た希道が向かった先には、先程沖田に案内された彼女が拝借させてもらう部屋。 部屋の隅に置いてある荷物が異様に気になった。 勝手に拝借させてもらうのだからいない間に盗み見るなんて、少し罪悪感が湧いてくるが好奇心には勝てない。 ─土方さんって人が言っていたものなのかな…?
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