第二章:初仕事

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「山南さんに言われちゃったんですから、身体、休めなきゃいけませんね」 「だな、土方さんは働きすぎだ」 「たまには休んでも罰は当たらないと思うぜ」 「そうだぞ歳、今日は一日休んでくれ」 沖田さんの言葉に永倉さんや藤堂さんたちも同意し、トドメに近藤局長さんにまで言われてしまった土方副長さん。 渋々ながらもそれを了承したけれど、彼がそんなに容易く仕事をしないで身体を休める、なんて事はしないと思う。 だって、何処と無く博士に似ている気がするから。 土方副長さんと博士は似たようなタイプの人間なんでしょうね。なんて思いながら最後の一口を食べ終えた。 「あ、希道さん食べ終わったんですね。 じゃあ膳を片付けて巡察の準備しましょうか」 そんな私を横目で見ていたのか、沖田さんはそう言ってにこりと笑いながら立ち上がった。 それにコクりと頷き、お膳を手に持って沖田さんの背を追った。 何処へ向かっているんでしょう。と内心、首を傾げていると沖田さんが顔だけ此方に向けた。 「膳は勝手場に持っていって、当番の人たちに渡すんです」 その言葉に成る程。と頷いていると疑問が出てきた。
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