第二章:初仕事

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その言葉にコクりと頷いて京の町へと繰り出した。 町へと出てきた優は感嘆の息を吐き、辺りを見回していた。 それに気づいた沖田さんが疑問気に問いかけてくる。 「あれ、希道さん京は初めてなんですか?」 それにまたコクりと頷くと"じゃあ"と口を開いた。 「希道さんは何処から──」 そう言っている途中に沖田さんの目が鋭くなり、隊士たちに小声で指示を出した。 「浪士たちにつけられているようですね。 人気のないところへ行きますよ」 それに全員が小さく頷くと、何事もなかったように。 指示を出した通りに人気のないところへ向かい始めた。 流石一つの小隊を任されているだけはありますね。なんて思いながら目的の場所へ着くと、沖田さんは浪士たちに向かって声を張り上げた。 「いるのはわかっています!! 出てきなさい!!」 その言葉に答えるように、七人の浪士たちが姿を現した。 言われた(バレた)からといって姿を現すなんて、この時代の人は律儀なんでしょうか。 それともこの人たちがバカなだけなんですかね。 内心呆れながら、まるで傍観者のように見ていた。
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