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思わぬ事態に嫌な汗が流れる。
「(そうでしたっ、
あの子研究所に刀をわざと忘れてきたんでした…!!)」
すっかり忘れていた。
この事実に誰一人、沖田さんすら気付いていないことにも驚きを隠せないが。
動揺を隠しつつも内心慌てる私を他所に隊士たちは五人の浪士たちと刃を交わらせる。
隊士たちは刀を抜いて応戦してはいるが、人を斬ったことがないのか防ぐ一方で。
なかなか頼りにならなさそうだ。
残りの二人は沖田さんへと斬りかかっており、少し辺りを見回してみるがこれより増えることは無さそう。
でも、いつまでも沖田さんが来るまで待っているわけにはいかないし。
"どうしましょう"と考えているうちに、一人の浪士が私に襲いかかってきた。
「死ねぇ!!」
そう叫びながら浪士は刀を振り上げ、今にも降り下ろそうとしていた。
「(あっ……!!)」
そう思ったときには遅かった。
ズシャァッ、と。
人の肉を斬る音が辺りに響いた。
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