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「これで全員揃ったわね。皆、ちょっと集まってくれるかしら」
女性の呼びかけに思い思いの場所で休んでいた女生徒達が集まる。アルディもまた、彼女達の横に並んだ。
「まずは当魔法学園への入学おめでとう。そして、ようこそ英雄特進科へ。私が皆さんを担当する事になるエーミール=ハンニバルです」
目を細めて笑う女性――エーミールに、親しさよりも先にまず大人の色っぽさを感じる。他人の目に慣れ、それを楽しんできた者の笑みだ。
「ここにいる皆さんは、事前に送った書類で知っていると思うけれど……この英雄特進科は来るべき戦いにおいて『英雄』足りえる人材を育成する、いわばエリートコースです」
説明を聞きながらアルディは心の中で「くだらねぇ」と呟いた。口に出さなかったのは、単に面倒を避けたかっただけだ。
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