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春
―…「柔…道…か。」
中学時代
私は柔道部だった。
―…
「なんで柔道部に入ったの?」
「それは……」
「昴を、護るため?」
なんで
なんでお母さん
なんでそんな
悲しそうな顔するの
「それも…あるよ。」
「…昴の事…学校では考えてほしくなかったんだけどな…。」
「え………?」
「中学では…兄弟がいることは内緒にしてほしいな。」
なんで
なんで
「雛は…これ以上昴と関わるべきじゃない、と思うの。」
やめて
「…昴は関係ないよ…
私は…強くなりたいだけ…。」
「そっか…。頑張ってね。」
やめて
そんな風に笑わないで
そんな笑顔
辛すぎるの
―……
桜が散っている
武道場
「柔…道…か。」
中学時代は
ただ強くなりたくて
誰かを
皆を護れるようになりたくて
必死で練習して
夏の県大会3位になった
でも―……
「を、入部希望!?」
「え、いや……Σ」
その時私が捕まったのが
水谷先輩だった。
「女子じゃん女子じゃん!
うひょーっっめでたい!」
「いや、えっと…あの」
「ん…?」
私は
柔道が好きだ
「…一回だけ…
相手してもらってもいいですか?」
「………よし!」
私は
柔道が好きだよ
お母さんに何て思われても
やっぱり私―……
*
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