家族

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胴着を借りて、軽く体操をする。 誰かと組むのは 半年ぶりだな…。 「…お願いします。」 「こちらこそっ♪」 「…っ随分慣れてるね…!」 「一応…やってましたから!」 強い この人は ひょうひょうとしてるのに 軸が全くぶれない 「……でも… 君…心が安定してない…!」 「―……!!」 ドクン ―……ダンッッッッッ 「―…ッッ」 その人はあっさり私を押し倒して 「―…俺が…… その心、支えてあげる。」 「……え…。」 「…ようこそ、柔道部へ。」 ドキン…… 「わ―! 水谷先輩セクハラしてる!」 「げっ、湖豊! 見ないでーばかー!」 この時出会ったのが ことよん。 ことよんは中学時代から水谷先輩の後輩で 私と同じ、 中学から柔道をはじめた子。 「水谷先輩に強制入部(笑? これからよろしくねーっ。」 「よろし、く―…。」 「…あれ、もしかして… えと… 雛、さん…!?」 「え、うん…」 「夏の県大で3位だった雛さんだよね!わぁ!」 そこに来たのが 「あ、あの―… 入部希望なんですけど…。」 秋乃。 「また女子来たーっっ! 今年は恵まれてるなぁ!」 『水谷先輩』がぴょんぴょん跳ねる。 なんせ、この時2年生も3年生も女子がいなかったから。 という事実を私と秋乃が知るのは、 このすぐ後の事。 『これから、よろしく。』 それが私達の出会いで 高校生活のはじまり。 *
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