南 理沙

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「私たち一緒のクラスだよ!」 「やったね!」 同級生たちが口々に叫ぶ。 昇降口にでかでかと貼られたクラス表の前には、たくさんの人だかりができていた。 「2年かぁー」 今日は北畠(キタハタ)高校の入学式。 この学校の2年生となった南理沙(ミナミ リサ)も、同じようにクラス表を見上げていた。 ぼーっとミディアムの綺麗な黒髪を垂らしてなびかせていると、校門から叫び声が聞こえた。 「りーさぁあああああ!!」 ガバッという音がぴったりなほど、強烈に抱きついたのは同級生の金田慎也(カナダ シンヤ)。 小4の頃からの親友で、幼なじみのような存在。 「ねぇバ金田くん。暑苦しいよ?」 「冷静に対応すんなよっ!抱きつかれてキャーとかないのか!ってかバ金田ってなんだ」 新学期早々うるさいな… 南はそれでも冷静にまあまあ、と金田の背中をぽんぽん叩く。
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