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『・・・・・・痛いよ。』
全身の激痛と共に、脳裏に言葉が浮かぶ。
『・・・・・・・・・痛い・・・・・・。どうして?・・・・・・。』
幼さの残る少年は、四肢の感覚を認識できないほど衰弱していた。
現状に疑問を持つ余裕があったのだろうか。
それとも、激痛によって思考が追い付いていないのか。
本来ならば、年端のいかない子供であれば
自身が危険な状態にある時、肉親の名を思い浮かべるはずだろう。
だが、最早―――
『肉親』と呼べる者は・・・・・・。
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