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ようやく、感覚がはっきりしてくる。
―――グシャグシャだ。顔が。
目を開くと、顔がずぶ濡れになっているのが判った。
泣いているのか。無理も無い。
恐らく周囲に、友達なんか居ない。
とてつもなく、怖い。
それとも、泥水?
泥塗れに遊びまわった近い過去が、走馬灯のように思い出される。
―――変な匂いがする。
鉄の匂いかな。
そうだよな。大怪我をしてるんだ。
初めて血を口にしたとき、こんな風味だった。
本当にショックで、今でもよく覚えてる。
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