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「うわ……」
渡された教材本を開いた時のリアクションだ。
まず小さな文字で真っ黒に染め上げられたページ。そして辞典と言うには余りにも厚すぎるページ数。
最終ページを開き俺は目を疑った。……五万ページってなんだよ。
ツッコミきれねぇよ。
学歴皆無の俺はとりあえずこの教材本をパラパラっと適当に読んだ後、ゆっくりと丁寧に閉じベッドの上に横たわる。
「なるほどさっぱりだ」
OD、通称“オーバードライブ”と呼ばれている兵器。
このODと呼ばれている兵器の特徴――それは人体に直接装甲が着く事だ。
人によってその姿形武装は様々であり、能力や機能も様々だ。
しかも驚いた事に、ODには意識がある。
喋るし、ピンチの時は自動的に体を動かして攻撃を交わしてくれる。
攻撃する時もそうらしく、勝手に標的の標準を合わせてくれたりと――戦闘中にいろいろ手助けしてくれるみたいだ。
俺もこのODの適合者――というか元素者らしい。
始めは適合者とか元素者とか全然分からなかった。
教材本の目次に書かれてあったまあ簡単に説明をすれば、適合者が自ら進んでODを手に入れる人の事。
元素者が生まれつき体の中にODを持っている人の事を言う。
元素者の場合いつODが覚醒するかが分からないらしい。
覚醒すれば0歳であっても国から莫大な支援が来ると言われている。
適合者自体元素者程の力を持つには血も滲むような努力が必要らしい――が、ぶっちゃけ、俺にとって適合者とか元素者とかマジでどうでも良い。
そう、さっきも言ったように俺は根っからの元素者だから。
何故だか知らんが俺が覚醒した次の日には軍の人が来て、いろいろと訳分からん話しをした後――金の話しが出た瞬間俺の母親はさわやかな笑顔で承諾のハンコを押しやがった。
今度あのババァを見たら一発殴ってやる。
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