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「もう説明しましたが、ODには意識がありますので名前をつけて起動させてください」
「名前……ねぇ」
俺は昔から大好きな名前がある。
数多くプレイしてきたネトゲーのメインキャラに使ってきた名前でもある。
とくに迷うこと無く思い浮かぶ。
「決まってる! お前の名前は今日からストラトスだ!」
フッフッフッフッフ……我ながら中二病的なカッコイイ名前だろう? 思わず笑みがこぼれてしまう。
上から読んでも下から読んでも一緒なんだぜ?
「ストラトス! セットアップ!」
「了解シマシタ、マスター」
女性の機械的音声が聞こえた後ストラトスが輝きだした。
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおお! マジすげえええええええ!」
今まで夢に見ていたファンタジー的展開が今こうして起きているのだ。
興奮して脱糞しそうになった。
便意なんてないけど、それくらい俺は今猛烈に歓喜しているのだ。
「セットアップ完了シマシタ」
煌びやかな光が消え、元の青い宝石に戻る。
「セットアップ完了しましたね、では私の後についてきてください」
淡々とそういって柏崎さんは部屋をでた。
これから模擬戦が行われる。勝てる自信はほぼゼロだ。
なんの根拠も勝機もない――だけど不思議な自信が満ち溢れてくる。
「これから頑張ろうぜ、相棒!」
俺の声に反応したかのように、ストラトスは一度だけ輝いたのが分かった。
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