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「今日も来るよ。
あの子達。」
純子は一瞬だけ目を細めてそう言った。
獅子之介はそれに対して特に反応を見せない。
何故ならわかっていたからだ。
その言葉の意味も、純子の言うあの子達が今夜この町に訪れるということも。
「何で君にもわかるのかな?」
獅子之介はチラリと純子を見てそう言った。
それが獅子之介の疑問だった。
獅子之介があいつらの気配を察することができるということは自分でもわかっている。
理由はわからない。
ただ、自分の持っている力に関係しているということだけには薄々と気が付いていた。
だが、純子の場合はどうなんだ。
獅子之介は純子のことをよく知らない。
純子が何故自分の力の存在に気付いていて、何故自分に関わりのあるあいつらについて知っているのかが全くわからなかった。
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