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「酷いじゃない。
またって。」
本当に不快に思っているのだろうか。
純子は相変わらずの笑顔。
獅子之介は顔を僅かにひくつかせる。
苦手。
獅子之介はこの女が苦手だ。
何時なんどきも同じような笑みを浮かべ心理が全く読めない。
そんな純子を獅子之介はあからさまに避けていた。
「何のようかな?」
「別にようは無いよ。」
「そう。
それじゃ、また明日。」
なるべく関わりたくはない。
それが獅子之介の今の気持ちだった。
「一緒に帰ろうよ。」
純子がなぜ、学校でいじめに会っている獅子之介とわざわざ一緒に帰ろうとするのか。
ごく普通に生活をしているここの学生には検討もつかないだろう。
だが獅子之介には純子が自分に接触を持とうとする大体の理由には予想がついていた。
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