突然の別れ。そして再開。

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寒さが身に染み、無意識に身体を震わせてしまうような季節に、身動きひとつせずにただただ白い息をはきながら、何処か遠くを見つめ佇んでいる女の子が一人いた。 微かに開いている口からは紫煙の様に吹き出している息と共に「嘘でしょ?」と、たった一言だけがこぼれた。 女の子の名前は東雲 薫(シノノメ カオル)16才の高校1年生である。 彼女はたった今昨日まで微笑みあい、手を繋ぎあっていた恋人に、突然の別れを告げられたのだ。 たった一言。 「別れてくれ。」 と。
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