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気がつけば、いつの間にか薫は近所の雑居ビルの屋上にいた。
(もぅいいや。)
身を投げようとした。
――刹那。
?「かおちゃん??」
薫「え?」
突然名前を呼ばれた薫は、声のした方へと振り向いた。
そこには、いかにもガテン系といった風貌のお兄さんが立っていた。
薫「え…と、…どなた様でしょうか?」
?「へっ!?覚えてないの!?ヒドイよかおちゃん!!俺だよ!!翔悟だよ!!」
薫「え!?」
薫は頭をフル回転させた。確かに薫には小学校四年生の時まで隣に住んでいた2つ年上の坂上 翔悟(サカガミ ショウゴ)という名前の幼なじみだった男の子がいる。
しかし薫の記憶のなかにいる翔悟は、薫よりも身長が小さくて弱々しく、いつも泣きべそをかいているイメージの翔悟しか思い付かない。
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