ゆめ……?

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夢はどこからが夢でどこからが現実なのだろう。意識はあり、自分で動ける夢をみることもあれば現実なのに身体の自由がきかなくなることもある。まぁ、そんなことは普段は全く考えないんだけど…。 数時間前、徹夜明けの帰り道。……寒いなぁ…、小さな溜め息とともにボクは呟く。今日は一段と冷えるってニュースのお姉さんが言ってたっけ、なんてくだらないことを思い出して寒さに肩をすくめた。ふと視界に白いものがぴょこぴょこと跳ねる。おや、と重たい瞼をこすり目でおえばふわふわな短い尻尾と長い耳。誰かのペットが逃げ出したのだろうか、無意識に温かそうなその毛皮…もといウサギをじっと見ていた。  視線に気づいたのか、ウサギがくるりと振り返る、ボクは思わず吹き出した。ウサギが掛けていたのは瓶底眼鏡。あまりの似合わなさに笑ってしまった。すると瓶底眼鏡ウサギは、こちらにかけてきていきなりのことにぎょっとするボクの顎目掛けてそれはそれは見事な蹴りを食らわしてくれた。ボクの意識はそこでブラックアウト、気がついたら家のベッドだった。……夢だと思う、夢だとは思うが何故か顎が僅に痛んだ。そもそも何処からが夢だったのか…、意識を少しでも覚ますためにボクはぼんやりくだらないことを考えながら温かい珈琲を啜った。 完
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