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「あの子可愛いよなー
本当、美男美女って感じ」
「そ、そうだね…」
確かにその女の子は可愛かった。
一瞬泣きそうになった。
でもこれは当たり前のことなんだ。
裕翔くんはああいう可愛い女の子が好きで、僕なんか眼中にない。
ていうかまず男が男を好きなこと自体おかしいんだ。
諦めなきゃ。
僕はそれから毎日のように自分に言い聞かせた。
“僕は裕翔くんなんか好きじゃない”
「あっ、
(しまった、消しゴム落としちゃった!
拾わなきゃ…)」
「はい、落ちたよ」
「……っ、あり、がとう」
「山ちゃん、山ちゃんの席借りていい?」
「あっ…うん…//」
「ゆ、裕翔くん、そこのプリント取ってくれない?」
「えー」
「!!」
「ふふ、うそうそ!
はいっどーぞ!」
「…っ///」
なのになんでだろう。
全然想いが消えないんだ。
寧ろどんどん増えていく。
だって僕は知ってるんだ。
わざわざ落ちた消しゴム拾ってくれたり、
席借りるのにちゃんと断りをいれたり、
僕のことからかいつつも笑顔で何でもしてくれたり、
彼がすごく優しいこと知ってるんだ。
こんな彼をみて嫌いになれるわけない。
でももちろんこの優しさは皆に平等で。
彼には大切な人もいる。
僕じゃなくても、いいんだ。
そのことが何よりも悲しくて。
「……裕翔くん」
「なにー?」
「……なんでもない」
でもある日気付いたんだ。
僕の思ってることは全部言い訳だ。
男同士だからとか、彼女がいるからとか、皆に優しいからとか。
全部、言い訳。
本当は勇気がないだけなんだ。
話すチャンスは沢山あった。
でも僕はなにもしなかった。
できなかった、じゃなくて、しなかった。
最初から無理だって決めつけてた。
彼に嫌われるのが怖かった。
でも、前に進まなきゃ。
このまま終わりになんてしたくない。
だから…だから、言うよ。
「僕、裕翔くんのことが好きでした」
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中途半端w
ピュアな山田の片思い。
それにしても会話文少ない…
というか普通の文が多い(笑)
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