動物喫茶 ※

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「わかりました。 そんな貴方様にぴったりの人間を用意致します。 どうぞこちらに座ってお待ちください」 「え、ちょ、待って!」 男は奥へ引っ込んでしまった。 なんだかこのままで帰ると後でヤクザかなんかに追われそうな気がして、俺はソファーに座った。 全体的に紫なテイストで、いかにも妖しい。 こういうとこってあれか…? 悪徳商業とかそんなとこ…? それってまずくない!? でも逃げても危ない気がする… 「どうしよー……!?」 ふと周りをみると、その男達と楽しく会話をしている女が沢山いた。 「そうか… ここ、ホストクラブ的な感じか…」 それなら安心…て、おい。 俺男なのにこんなとこいたらまずくない!? やっぱ帰ろう! 「お嬢様」 「!!」 振り返ると、うさぎの耳としっぽをつけた男が立っていた。 背が高くて、顔は優しそうで…所謂イケメンってやつ。 「(かっこいい…って、違う違う!) あのっ、俺間違っただけで、俺男なんで…!」 「へえ…男の子なの? 普通に女の子だと思った…」 「ま、まあ…よく間違えられるんで… じゃなくて! 俺、帰りますから!」 「ふふ、恥ずかしがらなくていいよ? 男の子でも大歓迎。 さ、座って?」 「はあ!?」 どいつもこいつも…と、思った時。 そいつが俺に向かって優しく微笑んだ。      
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