cruelty ※

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※成人設定 裕翔が酷い人です。 彼は本当に最低な人だ。 だって彼は… 「はぁー疲れた」 「お疲れ様」 撮影から帰ってきた裕翔くん。 裕翔くんが最後で、俺がその前だったから楽屋には俺ら二人。 裕翔くんが笑って入って来たから、俺も笑って返した。 「山ちゃんもう帰るの?」 「おう」 「ふーん…」 俺は知ってるんだ。 裕翔くんのしてること。 いや、俺だけじゃない。 きっと皆知ってる。 「「あのさ」」 「あ、ごめん」 「いいよ、山ちゃんからで」 「…こないだの休み、さ...」 言って、口を閉じた。 やっぱり言うのやめよう。 「いや、やっぱなんでも…」 「ああ。もしかして見たの? 俺がJr.とラブホ入るとこ」 「!!」 心臓が高鳴った。 「だったら言ってよー」 あははと笑って返す裕翔くん。 だけど、目、笑ってない。 「……っ、」 「あ、そうだ。 山ちゃん今日俺ん家泊まってく?」 「え、」 「夜遅いし。 山ちゃんのマンション遠いでしょ?」 ね?なんて当たり前のように言うから、俺も当たり前のように返事をしてしまった。 行く途中、裕翔くんは色んな話をしてくるけどまるで耳に入らなかった。 Jr.と寝てるって噂、本当だったんだ。 いや、知ってたけど。 でも心のどっかで違うって、そう思ってたのに。 …考えるのやめよう。 だって、俺たちはもう“仕事仲間”だから、さ。 「今ビール持ってくる。 山ちゃん座ってて」 「おう、ありがとう」 裕翔くんのマンションに入るのはいつぶりだろうか。 相変わらず綺麗に片付けてある。 俺は辺りを見渡していた。      
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