終わりなき友情(!)

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皆それぞれ決められたルートを歩いていく。 俺はガサゴソとポケットから紙を取り出した。 「俺が行くのはこのルートだから…」 皆には言ってなかったけど、俺は地図を持っている。 小屋にあったのをこっそり拾ったのだ。 薮くんがゲーム用に持ってたのよりもずっと詳しいルート。 …さて、誰から殺そうか。 悪いけど俺にはあの作戦が上手くいくとは思えない。 きっと誰か裏切るんだ。 特に俺なんか、狙われやすいじゃないか。 いつも俺ばっかりテレビに出て。 俺だって目立とうとしてるわけじゃない。 でも仕事は断れない。 一人の仕事がくる度に申し訳なくなって、皆との隙間が出来てる気がして、俺だけ一人な気がして… 気にくわないメンバーだっているはずだ。 「…あれ」 地図を見てあることに気づいた。 ほら、見つけた。 裏切り者を…… 「山、田……っ、お前…!」 はい、三人目終了。 気持ち悪いから自分に血がつかないようにするけど、どうしても無理みたいだ。 「…プッ、」 口に入った血を吐き出す。 それでも鉄の臭いが酷い。 早く仕事を終わらせよう。 …ま、予想以上にこのゲーム早く終わりそうだけどね。 「えっと…、俺が殺したのは三人だから…」 他のメンバーはあいつが殺したってことか。 俺よりずっと手が早い。 結局絆なんてそんなもんってことか。 あとは目的地まで行ってあいつを殺すのみだ。 「じゃあね」 死体に別れを告げ再び歩き出した。      
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