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向かう途中無惨な姿のメンバーに遭遇した。
「なんだこれ」
そこには一輪の花が置かれていた。
多分あいつが置いたんだろう。
「…嫌味のつもりかよ」
花を潰して坂を登ると、目印とあいつの姿が見えた。
「山ちゃん、来たんだ」
振り返っていつものようにふにゃっと笑う。
「二時間ぶりだね、…薮くん」
全身血だらけの薮くんは笑顔のまま俺に近づく。
「山田が来てくれてよかったよ~!
誰も来なくて寂しかった」
「…ふふ、なにその冗談全然笑えないよ」
鼻で笑うと薮くんの笑顔が消えた。
「いつ気づいた?」
薮くんは真面目な顔で俺を見る。
「…最初から知ってたよ。
薮くんが歩いたコースはメンバー全員のコースと繋がってること…
薮くんがメンバー殺すこと…
全部、全部知ってんだよ!!」
俺が怒鳴ると薮くんは悲しそうな顔をした。
「怒ってるよな…ごめん。
でもな、山田…」
「怒ってる?
そんなまさか。
寧ろ俺の期待に応えてくれた上に、メンバー殺す手間減らしてくれたんだもん。
嬉しい限りに決まってんじゃん!」
「お前…やっぱり最初から裏切るつもりだったのか」
「薮くんだって一緒じゃん」
「違う…俺は…!」
「あはははははははは!
…なに、言い訳?
今更そんなこといいよ。
俺たち“ナカマ”でしょ?」
耳元で言うと薮くんは顔を歪めた。
「さ、お遊びは終わりにしよ?」
「山田…本気か」
血で染められたナイフをポケットから取り出す。
すると薮くんも同じナイフを俺に向けた。
「負けねえ」
目と目が合った。
「やああああああああ!!」
「あああああああああ!!」
グサッと生々しい音がした。
同時に薮くんが腹に刺さったナイフを引き抜きながら倒れる。
「はあ…はあ…っ」
下を見ると俺の腹にもナイフが突き刺さっていた。
「くっそ……!!」
俺も薮くんの隣に倒れた。
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