永遠に、再び(!)

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“サンタさん”から貰ったリボルバーを、今、君に向けた。 「山ちゃん…やっぱりそうだったんだ」 「…」 俺は悪人だ。 仕事の為に、彼に近づいた。 なのに。 「気づいてたんなら言えばいいのに」 「だって山ちゃんと一緒に居たかったからさ」 「ばかじゃねえの」 俺はいつものように笑った。 裕翔くんもいつものように微笑んでる。 「…あのさ、夏に花火大会に行ったの覚えてる?」 「もちろん。山ちゃん浴衣で来てくれて嬉しかったなー」 「だって裕翔くんが浴衣デートしたいって言うから」 「あ、あと山ちゃんりんご飴超好きだったよね」 「あれまじ美味いもん」 冷たい風が吹いた。 「あー…あの頃に戻りたいな」 「山ちゃん?」 「ばか、冗談だよ」 鼻がつんとする。 「冗談ならさ、…なんで泣くの」 「……泣いてないし、」 「嘘つき」 そうだよ、俺は大嘘つきだよ。 でもさ。 「……俺は裕翔くんのこと本気で好きだった」 「…」 「…っ、ごめん…、信じてもらないよね…」 「山ちゃん、」 「…だって、俺と裕翔くんは、正反対の存在だもん…」 するとリボルバーを持つ震える俺の手を裕翔くんの手が包んだ。 「…!」 「山ちゃん覚えてる?初めて会った時のこと。 桜の木の下でさ、俺が本落としたの山ちゃんが拾ってくれて。 そこからよく会うようになって、仲良くなったんだよね」 「…うん」 全部、俺が仕組んだこと。 「それから俺が山ちゃんのこと好きになっちゃって。 思い切って告白したら、山ちゃん笑顔で返事してくれたよね」 「……うん、」 その時から、好きだった。 「ねえ、山ちゃん。 俺の気持ち、あの時から変わってないよ」 「……っ、ゆ、と…っ」 なんで、そんなに優しい顔するんだよ。 「山ちゃん、」 「お、れ…花火大会すごい楽しかった…っ、出会ったときから、たくさん、たくさん…思い出が出来て、嬉しかった…っ」 「うん」 「戻れないって…仕方ないって、わかってる!けど…けど!」 「…」 「…!?」 裕翔くんが自分の心臓にリボルバーを突きつけた。      
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