動物喫茶2

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『いらっしゃいませ』 「ど、どうも…」 ついに、再び来てしまった。 「ご指名はどなたで?」 「あっ、いや違います…!こないだの料金を払いに…!」 「ああそれなら」 男の目線を追ってみる。 「あっ、山ちゃん来てくれたんだ」 「…!」 相変わらずうさぎの耳としっぽを装着している彼がいた。 「違っ、俺はただお金払いに…」 「ああそれなら俺が払っておいたのに」 「へ…?あっ、ごめんなさい!返します!」 「いいよそんなの。要らないから、そのかわりまた俺を指名してよ?」 「はあ…?」 なんだよそれ。 そしたらまたお金かかるじゃんか。 「店長、この子俺専属だからよろしく」 「ちょ!?」 「じゃあ…いこっか、二人部屋」 「…!!」 なんてこった。 「あ、相変わらずピンク…」 「眩しい?照明落とす?」 「!?いや遠慮します!!てか俺あなたの専属とかなってませんけど!?」 「ふふ、本当涼介は可愛いね」 「なっ…」 「俺、涼介のこと気に入っちゃった。だから他の誰にも触らせない」 「…!!」 て、照れてる場合じゃないよ…! 触らせないって、どういう意味ですか…! 「あれ…?顔真っ赤だけど?」 「ち、違っ!別に照れてるわけじゃっ…!」 「ふうん…照れてるんだ」 「や、そのっ…」 「可愛いね。食べちゃいたい」 「!?!?」 「ふふ、うーそ。そんなことしないよ。だって涼介キスも不慣れだもんね?」 「…っ、しょうがないじゃんか…っ」 「!!」 未だに経験がないことが恥ずかしくて涙目になりながら訴えると、なぜか裕翔は目を開いてすぐ反らした。 「あ、あれ…?なんかした…?」 「いや…大丈夫…」 「ちょ、具合悪い!?どうした……!!」 裕翔が手で口を塞ぐから慌ててその手を取った。 すると、裕翔の顔は真っ赤になっていた。 「ご、ごめん…今のツボ…っ」 「(つ、つぼ?)いやこちらこそなんかごめんなさいっ」 「お、俺、お菓子持ってく……っうわ!」 「っえ!?うぎゃあ!」 慌てて立ったと思いきや足がもつれて俺を押し倒すように倒れてきた。      
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