僕が君で君が僕で (!)

2/7
前へ
/154ページ
次へ
「山、ちゃん?」 「ん?」 「なんでここにいるの?」 「はあ?」 俺がいうと、山ちゃんは眉を潜めてまぬけな声をだした。 「だって今日記念日じゃん。 てか裕翔くんが今日デートしようっていうから来たんだろ」 「いやでも朝、今日は撮影があるから朝しか会えないって言って俺んち来たじゃん」 「はあ?裕翔くん大丈夫?」 大丈夫じゃないのは山ちゃんだ、と言おうとしてやめた。 山ちゃんは正気の顔をしていたから。 それがことの発端だった。 「おはようございまーす」 「山ちゃん!?」 「なに?」 「今日は仕事お休みするって電話したじゃん!」 「お、俺そんな電話してねぇし!!」 何をいっているんだ、と携帯の履歴をみる。 そこに山ちゃんからかかってきた形跡はなく、俺はがく然とした。 しかしそんな不可解なことは止まることなく、俺は自分がおかしくなったのではないかとヒステリーを起こしそうになった。 でもある日、図書館に行くと気になる本を見つけた。 「『鏡の中の魂』…?」 その本にはこう書いてあった。  
/154ページ

最初のコメントを投稿しよう!

261人が本棚に入れています
本棚に追加