僕が君で君が僕で (!)

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「実は今日の朝山ちゃんに会ったんだよ。 まあそれも前会った時に約束したんだけど。 それで、今日の撮影は休んで夜ここにくるように頼んだの。 そんでもう一人の山ちゃんには撮影現場で同じことを言った」 「待って、意味わかんないよ!」 「なんで俺が二人!?」 「一人は分かってんだろ? 鏡の中から来た魂さん」 「「!?」」 「魂は本人と反対の行動をするんだろ? だから本当は今日も、朝の山ちゃんが俺と会わずにいたら仕事に行ってた。 そしたら仕事に行くはずだったもう一人の山ちゃんはなんらかの形で行けなくなる。 そうなったら俺はその山ちゃんをここへ連れてこれなくなる。 だから朝の山ちゃんには行かないよう言ったんだ」 「よく意味が分かんないんだけど…」 「鏡の中の魂って…?」 「偽物は分かってるよね? 俺はお前を消しにきた。 山ちゃんは一人で充分。 お前は必要ない」 俺はポケットから極秘で取り寄せた拳銃を取り出した。 「「!!」」 一人は目を開き、一人は眉間に皺を寄せ、お互いを見た。 山ちゃんと山ちゃんが、今顔を見合わせた。  
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