君のために笑うよ (!)

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「別れよう、山ちゃん」 「なっ…なんで…? ずっと僕の傍にいてくれるって言ったじゃんん…!」 「…ごめん」 重かった。 山ちゃんにはそう伝えた。 でも、本当は違う。 自分に自信がなかっただけ。 山ちゃんの前で“いい人”を演じられなくなっただけ。 そして、三ヶ月が経った。 「あ…」 「っ、裕翔くん…」 道端で偶然山ちゃんに会った。 「涼介行くよ?………あ」 ちいが店から出てきた。 「あー…ごめん、僕店に忘れ物しちゃった」 「知念!?」 山ちゃんと二人残され、気まずい雰囲気が漂う。 「…やっぱりちいと付き合ってんだ」 「!! ……………うん」 「そっか… 今、幸せ?」 「え? …幸せ、だよ。 知念は俺のこと大切にしてくれてる」 よかった、という安心感と少しの悔恨が脳を埋める。 「よかった、山ちゃん幸せそうで… っ、じゃあね」 「まって裕翔くん!!」 「!!」 「あのね、俺は…!」 「本当に幸せでなによりだよ」 「っ…」 「でもね、もし、もしだよ?」 「?」 「山ちゃんがちいといて苦しい気持ちになったら…」 もし、前の俺みたいに最低なことしたら。 「その時は俺が迎えにくるから」 「!!」 だから今は、幸せでいて。 ---------------------------------- プルチネッラ現象やばし(笑)
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