Detest (!)

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※知念目線 「裕翔くん、はいお菓子!」 「ありがとー!」 ………うざい。 「山ちゃん、今日一緒に帰れる?」 「もちろん!」 ……うざい。 「ねぇあのさ、」 「お前ばかじゃん!!」 「あはははっ!!」 うざい。 彼らにはお互いしか見えてないんだ。 僕だっているのに。 僕の声も、存在も、彼らには空気でしかない。 うざいうざいうざい。 でも言えない。 僕は二人と同じメンバーで、“友達”だから。 友達くらいやめるのは暴言吐けば簡単だけど、それじゃあまるで僕が悪いみたいじゃなか。 そんなの卑怯だ。 ……………コロシタイ 「知念話ってなに?」 「珍しいね」 「うん。 あのね、二人にプレゼントがあるの」 「「?」」 「このジュースなんだけど…」 「知念!!」 「!!」 「あれー?大ちゃん?」 「おう、ちょっと知念に用事あるから借りるぜ」 「うん?」 「なっ…!」 大ちゃんは力強く僕を引っ張っていく。 「ちょっ…なに!?」 「知念そのジュース貸せ」 「は!?」 「俺が飲む」 「…だめっ!!」 だめだよ、だってそれ、毒入ってるもん。 「…あのさ」 「……」 「俺がいるよ?」 「え…?」 「知念が寂しかったら俺が傍にいるし、知念に悲しいことあったら俺も一緒に悲しむ。 知念がイライラしたら、俺に当たればいいよ」 「大ちゃん…」 「だからさ、一人で抱え込むなって」 「……っ、ごめんっ…ごめん…!」 大ちゃんの言葉は、真っ黒な僕の心を白く塗り替えるようだった。 翌日、僕はあのジュースを破棄した。 ---------------------------------- 中山←知←有的な。
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