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切ネタ
山→裕
※女の人絡みます
よくカップルは出会った時のことはあまり覚えてるないって言うけど、少なからず僕は覚えている。
彼は入学当時からかっこいいって女子に人気だったけど、僕は興味がなかったから“なんだよ、あんなやつなんかかっこよくないじゃん”なんて、友達と話していた。
でも、きっと、本当は彼に興味があったのに、自分を誤魔化す為にそうしていたのかもしれない。
だから彼に話しかけられた時は嬉しかったんだ。
彼はいつもおっちょこちょいな僕のことをからかうから、確かに少しは嫌だったんだけど。
気持ちがはっきりしたのは文化祭だった。
僕のクラスは喫茶店で、ウェイターの僕は飲み物を運んでいた。
「山田!早く!」
「あっ、はい!
…………あっ!!!」
「!!」
急いだせいか人とぶつかってしまい、飲み物がかかってしまった。
「ご、ごめんなさ……!」
「冷たー」
そこにいたのは、彼だった。
「裕翔くん…!?
うわ!本当ごめん!」
「本当だよー!
山ちゃん何してくれんのー」
嫌われる、そう思った時だった。
「えっ…」
「ははっ(笑)
もう、気をつけなよ?」
「っ……!」
彼はとびきりの笑顔で笑ったんだ。
いつもならからかったりするくせに。
こういう時に限って優しいんだ。
この時から僕には恋という感情が芽生えていた。
………でも。
「山田聞いたー?」
「なにを?」
「中島のやつ、彼女できたんだってー」
「えっ…」
「あっ、ほら、あそこ見てみろよ」
「!!」
そこには、女の子と仲良さそうにあるいてる裕翔くんがいた。
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