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「すぐ連れて来ますので!」
受付の男性はそう言って走っていった。
「はぁー。隊長てやっぱり凄い人なんだ」
受付の態度の変わりように驚くエミルちゃん。
「まあ、バルデスの英雄の一人だから当然じゃない?」
確かにそうだけど。
隊長ってよくわからないんだよね……
英雄なのに[悪夢]って云われてるし。
他の英雄達と違い戦歴が残ってもない。
「失礼します。」
入って来たのは中年の男性。
「はじめまして。今回の毒オウムの担当者の斎藤といいます」
「はじめまして。三番隊所属レイミ=クリスマスです」
斎藤さんは私を見てにやりと笑った。
「君が坊やの新しい部下か」
隊長を知っている!?
しかも、坊やって……
「隊長をご存知なんですか?」
「ああ、坊やとは昔共に戦場を駆け抜けた仲……」
どこか懐かしい様に話す斎藤さん。
「おっと、任務の毒オウムの説明だったな」
「お願いします」
昔の話しちょっと聞きたかったな。
「あの!昔の隊長ってどんな人だったんですか?」
エミルちゃんナイス!?
しかし、斎藤さんは困った様に笑って首を振った。
「君は……。坊やの部下じゃないから話せないなぁ」
う……。涼子ちゃんの視線を感じる。
気にしないって言ってなかったけ?
「ええ!?私も隊長の……」
「坊やは君の事フルネームで呼ぶだろ?親しい間柄と部下には坊やはそうは呼ばない」
確かに私もいつの間にかレイミと呼ばれる様になってたなぁ。
「あと一つ、君と軍服の2人には……いや、話しを戻そうか」
私を見て斎藤さんはまた笑った。
そんなにこの服装おかしいのかな?
「毒オウムは街を出てすぐの森で確認されている。期限は明日までだ」
期限?
「期限とは?」
確か依頼書にそんな事は書かれてなかった。
「毒オウムは同じ場所に5日しかいない。明日の今頃には飛び立ってしまうだろうな」
今の時間は18時を回った所。
……時間ないじゃーん!?
「明日の早朝から行く事を薦めるよ。」
「わかりました。有難う御座いました」
「レイミと言ったかな」
立ち上がった私に斎藤さんが話す。
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