兵士のお仕事

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「はい」 「坊やは脆い……よろしく頼む」 斎藤さんは頭を深々と下げた。 「あ、頭を上げて下さい。それに、隊長は強いですよ」 私は一礼をして部屋を後にした。 斎藤さんは何が言いたかったのか…… あの隊長が脆い?有り得ないよね。 ロビーに行くと涼子ちゃん達の姿が見当たらない。 先に出たのかな? 私は受付で支部が用意してくれた宿の鍵を受け取り隊長の下へ向かった。 涼子ちゃん達も一緒にいた。 「すいません。遅くなりました」 「構わない」 皆で宿へ向かって歩き出す。 「あの隊長、斎藤さんという方に会いました」 「ああ、綱吉はここの支部長だからな。部下のお前に興味を持ったのだろう」 支部長だったのか。 「会わないんですか?」 「別に用はない」 斎藤さんの話しを信じるなら隊長とはかなり親しい間柄のはずだがそうはみえない。 「用があるなら私に会いに来るさ。私も同じだ」 ぶっきらぼうな言い方だけど、遠慮をしない間柄か……ちょっと羨ましい。 支部からそう遠くない場所に宿はあり部屋は三つ用意されていた。 エミルちゃんと涼子ちゃんが同じ部屋に 私と晴斗君はそれぞれ別室に。 隊長は自分で部屋を借りると私達とは違う宿へ向かった。 明日早朝から毒オウムを捕獲に向かう皆、夕食を取った後部屋に戻った。 翌朝 まだ辺りは薄暗い中私達は宿の前に集まっている。 みんな眠そうだけど大丈夫かな。 斎藤さんが言っていた森は街から歩いて三十分ほどで着いた。 「隊長、毒オウムの姿形を教えてもらえませんか?」 「遭えばわかる」 隊長……やっぱり知らないんじゃ…… 「じ、じゃあ、二手に別れて探します」 隊長に睨まれいそいそと指示を出す。 エミルちゃんと涼子ちゃん、私と晴斗君に別れた。
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