兵士のお仕事

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涼子ちゃん達が森に入るのを確認して別ルートから散策する。 「晴斗君、行くよ」 (おう!!) 晴斗君の……あれ? 振り返ると晴斗君はどこにもいない。 「木島 晴斗なら先に行ったぞ」 見てたなら止めて下さいよ……。 晴斗君を追って森へ入った。 「うおおおお!」 すぐに晴斗君とは合流できた。 「晴斗君?」 「うおおおお!」 顔を真っ赤にして叫び続ける。 毒オウムと戦っている訳じゃない。 モンスターと戦っている訳じゃない。 ……木に食い込んだ剣を必死に引き抜いていた。 「晴斗君……」 涙が出てきそうになるのを必死に堪え再び話し掛ける。 「よお!ちょっと待ってくれ!?」 時間がないので待てません。 私は剣の切っ先を掴み引き抜いた。 「時間がないから行くよ」 晴斗君は私の後に続いて歩く。 隊長は遭えばわかると言ってたが姿形がわからないのはやはり不安です。 周囲を警戒しつつ森の奥へと進んでいく。 二時間後、森の中で別方向から探していた涼子ちゃん達に会った。 「いた?」 「ううん」 「そうですか……少し休憩しよう」 エミルちゃんも涼子ちゃんも別に疲れてないよと私をみるが…… 晴斗君が肩で呼吸している。 この二時間、晴斗君は鍛錬と言ってずっと剣を振り回してた。 「使えねぇ、男だぜ。死ねば?」 『涼子ちゃん、さすがに言い過ぎだよ』 私とエミルちゃんの声がハモった。 「私じゃないわよ」 え? 涼子ちゃんのいる方へ振り向くと一つの小さな影が木の枝に止まっている。 「あれが……毒オウム?」 見た目は……そのまんまオウムです。 少し普通のオウムより大きいかな? 「捕まえるよ!」 私の号令に皆、身構える。 毒オウムとの戦いが始まった!
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