兵士のお仕事

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「帰るか」 「……はい」 隊長の後に続き私達は街へとむかう。 皆、足取りが重い。 肉体的な疲れより精神的なダメージが大きい。 「宗谷隊長、すいません……」 「構わん」 魔力を使い果たした涼子ちゃんは隊長におんぶされている。 ちょっと羨ましいかも……。 私も疲れてる…… 疲れてるのに…… 「レイミ」 「わかってます」 隊長が何を言いたいのかはわかってる。 涼子ちゃんは寝ている。 歩く2人は気づいてない。 「私がやります」 私は銃を抜く。 茂みの中の気配はまだ動かない。 「エミルちゃん、晴斗君。隊長の近くにいて」 私の言葉が合図となり茂みの中から気配の持ち主達が襲ってくる。 見た目からして山賊か。 「わっ、何ですか!?」 「何だコイツら!?」 驚く二人に山賊の一人が切りかかる。私は魔力を銃に注ぎ力をセーブした風の魔力を撃ち出す。 魔力といっても涼子ちゃん達と比べるなかれ! 銃から撃ち出す魔力は山賊の頭をトマトの様に吹き飛ばした! 「野郎!?」 「よくも!」 自分達から襲っておいて随分な言い方をする山賊ですね。 仲間をやられて逆上した山賊が私に向かって切りかかる。 地を蹴り山賊の頭上から雷の魔力を撃ち出す。 山賊は塵一つ残らず消滅した。 残るは二人……。 山賊は適わないと判断すると一目散に逃げ出した。 無論、逃がす気はない! 「一人は殺すな」 「はい!」 隊長の指示に従い山賊の一人の両脚を撃ち抜き、もう一人は胸を撃ち抜かれ絶命した。 「……」 隊長は身動きの取れない山賊を無言でみる。 「ゆ、許してくれ!命だけは……」 山賊の命乞いは言い終わる前に隊長にその命を刈り取られた。 「先に帰れ。私はコイツらのアジトを殲滅する」 「わかりました」 涼子ちゃんを私に渡して隊長は空を飛んで山賊の殲滅に向かった。 ……あれ?どうやってアジトを探すんだろ?
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