兵士のお仕事

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帰って来たら聞いてみようかな。 「よっと。じゃ、帰ろうか」 涼子ちゃんをおんぶして二人に言った。 「う、うん」 「……ああ」 二人とも元気がない。 「街までもう少しだから、頑張ってね」 「お前…人を殺した事あるのか?」 いつも元気な晴斗君 が声を低くして聞いてきた。 「ないよ」 今まで一般人だった私が人を殺せば犯罪だよ。 「じゃあ、なんでそんなに平気な顔してるんだよ!?」 ああ……そうか。 人を殺して平然としているからか。 「晴斗君、彼らは私達を殺そうとしたんだよ?」 「そんなのわかんねぇだろ!?ただ、脅して物を奪って行こうとしただけかもしれねぇじゃないか!?」 わかるよ。茂みに隠れてた彼らからは殺気が伝わって来たから。 「殺す必要は……」 「晴斗君、私達は兵士だよ?平和に暮らす人達に害をなす者がいたら排除するのも仕事だよ?」 「……俺には出来ない」 今更なにを言ってるのか…… 「なら、配属先かえてもらえる様に私からも隊長に言っておくね」 別に戦うだけが兵士の仕事じゃないしね。 「……はっ!さすが宗谷隊長の部下は言う事が違うぜ!?」 何て言えば満足するんだろう? 「晴斗君。三番隊に残ったのは君の意思でしょ?」 自分で選んだはずなのにおかしな事ばっかり言うね晴斗君は。 「人殺しになる為に残ったんじゃねえよ!?」 面倒くさいな~。 「私に言ったてどうにも出来ないから。辞めるなら隊長に言ってね」 少し晴斗君に苛立ち強く睨むと彼はもう何も話さなかった。
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