休戦

9/16
前へ
/312ページ
次へ
ベル広野の悲劇 それは一年程前、 当時、他国の侵略、巨大モンスターの出現、異教徒の弾圧と 私達兵士は寝る間もない程の任務に国内を走り回っていた。 その期を狙って隣国の強大帝国、ヴェニル国が大陸平定を掲げ侵略戦争を仕掛けて来た。 私は国王の勅命を受け単身で迎撃に出た。 ヴェニル国の兵力は10万。 一般兵士なら何人来ようが問題はないが。 ヴェニルの雄。難攻不落の突騎兵と呼ばれた男が指揮官として攻めて来た。 何度か闘った事があるが十万の兵を相手にしながら闘える相手じゃない。 爺に言ってせめて的…一瞬だけでも突騎兵を足止め出来る兵士を貸してくれと頼んだ。 爺は渋々兵士を貸してくれた……その数、僅か10名 。 ふざけてるのかと思ったが期待の新兵と自信を持って言われたのでそれ以上言わなかった。 戦場へ赴く彼らの顔は強張っている。 確かに爺の部下達からは高い魔力を感じる。 だが絶望的な数字に彼らの士気は揚がらず食事も喉を通さず会話もない。 流石にこの状態で戦場に行く訳には行かない。 このままでは足止めはおろか的すらならない。 ただ敵兵にボーナスを与えてやる様なものだ。 ヴェニル国との決戦の前に士気を揚げるべく私は何かないかと考えていた。 そんな私の前にヴェニル国が設置したのだろう。 トラップの[陣]をみつけた。 [陣]の中は雷槍の魔法か… 兵士達を見るとまだ気付いてない… !! 私の頭の中にこの暗い空気を一掃するアイデアが思い浮かんだ。 私がわざとトラップを発動させると兵士達は慌ててトラップの雷槍を避けるだろう。そこに私が「それだけの動きが出来るのだ諸君らとなら100万の兵が相手だろうと勝てる!!」て言えば士気も揚がるだろう。 考えがまとまったとこで私はトラップを踏んだ。
/312ページ

最初のコメントを投稿しよう!

623人が本棚に入れています
本棚に追加