休日

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次に私や宗谷隊長の様な気を具現化して闘う魔力タイプ。 魔力タイプは意外に少なく全体の三割程度しかいない。 最後が魔力を媒介に精霊などを呼び出す召喚タイプ。 召喚師は全体の一割以下。扱いも難しく上位の精霊でも召喚しないかぎり戦闘では役に立たないと言われている。 「それは、100なんじゃありませんか?」 天空院隊長は首を横に振る。 「ベテランの兵士でも100の威力を出そうとするなら140の気を込めなければイメージ通りの威力はでない。」 知らなかった。 「君は自分のイメージ通りの威力を生み出せるのではないかな?」 「はい。」 他の人はそんな事考えながら魔力を使用してるとは思わなかった。 「気を無駄なく使えるのは確かに凄いが君の能力の一部でしかない。」 紅茶を口に運び一口飲むと天空院隊長は続ける。 「君が持つ能力の最大の魅力は他者の気を制御する事ができる。」 他者の気を? 「どういう事ですか?」 「君の能力は相手の気を使用不可にする事が出来る。無論、相当な訓練が必要だが。」 そんな凄い能力を私が持っているの? 嘘じゃ…ないよね?嘘ならわざわざ呼び出したりしないはず。 「純は、貴重な能力を持つ君を特に育てようとはしてないだろ?」 「…はい。」 宗谷隊長は別に思い入れはないと言っていた。 「君は純の所にいてもきっと部下にはなれない。純の好みではないから。」 …宗谷隊長、まさか、顔で選んでるの? 「好みと言っても見た目じゃないよ。」 私の考えを読んでか天空院隊長は微笑む。 「純はね。自分にない力を求める者が好きなんだ。この前、レイミ=クリスマスとすれ違ったが彼女の瞳を見て純の部下になったんだなとすぐにわかったよ。」 私だって力を求めてる。 レイミと何が違うのかな…? 「俺の話しは終わりだ。君の返事を聞きたいな。」 天空院隊長の所にいけば部下として働ける。 任務をこなせばお金だって沢山手には入る。 お母さんに楽をさせてあげられる。 「…少しだけ考えさせて下さい。」 「わかった。焦らせて悪かった。返事はゆっくり考えてくれればいい。」 天空院隊長は微笑むと伝票を持って店を出て行った。
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