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「いやー。政治家顔負けだねー。」
褒めてるのか馬鹿にしてるのかよくわからない事を言うアンジェラさん。
数時間、喋り放しで乾燥した口にアンジェラさんが買って来てくれたレモンジュースを口に含んだ。
「アンジェラさん、ありがとうございます。」
「いいえー。」
一礼した私に手を振って笑った。
「アンジェラ、そんな奴に買ってやる必要ねぇんだよ。」
アンジェラさんに買ってもらったアップルジュースを飲みながらあの女…燐さんが言う。
「そう言えば涼子ちゃんは何してたのー?」
アンジェラさんに聞かれ正直に話そうか迷う。
私の事嫌いって言ってたし…
「ズバリー。昴さんに口説かれたねー?」
「マジか!昴の奴、趣味悪いな。」
くそ女…燐さんは無視してアンジェラさんは何故知ってるんだろう?
「お姉さんに知らない事はないんだよー。でー?返事はしたのー?」
「…してません。」
「馬鹿だなお前。昴みたいな男そういないぜ?即オーケーだろ普通。」
…燐さん何か勘違いしてるんですけど。
「燐ー。昴さんは涼子ちゃんを一番隊にスカウトしてるだけだよー。」
アンジェラさんが誤解を解いてくれた。
「なんだ。なら迷わず行けよ。純の下にいても部下にはなれねぇよ。」
燐さんは犬でも追い払う様に手を振る。
ぐっ。我慢よ!また口論になるだけだわ。
「んー。どっちを選ぶかは涼子ちゃんの自由だけど確かに今のままじゃ三番隊ではやっていけないと思うよー。」
一体何が悪いのか確か天空院隊長も自分にない力を求める者を宗谷隊長は好むと言ったが私だって力を求めている。
「涼子ちゃんには純が好みそうな…力がないんだよねー。」
力…か。
私が求める力と宗谷隊長が求める力はどう違うのか…
「いいじゃねぇか、一番隊で。別に純の下で働く事に固執してる訳じゃねぇんだろ?」
そんな事は…
「そんな事はありません。宗谷隊長に認めて欲しいと思ってます。」
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