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面白いなぁ。
「非効率もここまでなると笑えますね。」
「なんじゃと!これのどこが非効率じゃ!?」
グランドが騒がしく教室の窓を開けてグランドを見ると山田と月島が痴話喧嘩をしていた。
喧嘩の内容は山田の授業があまりにも非効率だと…まぁ確かに俺もそう思うが。
「何が気合いだーですか。気合いで全て上手くいけばこの世はさぞ平和でしょうね。」
ごもっとも。
山田の授業はどこから持って来たか巨大な岩を生徒達が囲み正拳突きをしながら気合いだと叫んでいる。
「それは世の中に気合いが足りんからじゃ!世界中の人間が気合いに溢れてみろ、あっという間に平和な世界になる!!」
気合いに溢れるってどんな感じよ?
優しさに溢れるみたいに気合いを使うなよ。
「気合い気合い。そんな一言で全てが上手くいくと思ってるあなたにミルクを預ける事は出来ません。やはり三番隊で預かります。」
ミルク?
ああ、山田の妹か。
月島は小さな人形の様な少女を抱きしめている。
山田と兄妹とはとてもじゃないが思えない。
「冴島隊長(さえじま)授業して下さいよ~。」
生徒の一人が中断した授業を再開しろとせがむ。
「なんだぁ?人に教えてもらわなきゃお前ら何も出来ないのか?」
『あんたの仕事だろそれが!?』
凄い団結力だな、お前ら。
「やだねー。昔どっかの偉い人が言ってたぜ?学ぶ暇があるなら諦めろって。」
『それただの怠け者だろ!!!』
はあ~。なんで俺隊長なんてやってんだろ…。
全てはあの女のせいだ…
飲み屋で知り合った女が「冴島さんのかっこいいとこみたーい」とか言うからさ。
ノリで参加した軍の大会で優勝しちゃったんだよ。
本来ならこれで女にかっこいい所見せてゴールインみたいな?
だが女は他に男をつくってバイバイ。
決勝の相手が十番隊の隊長で倒した俺が後釜として隊長に襲名されたわけ。
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